クラウド型労務管理システムおすすめ7選|選び方・料金も解説
更新日 2026年10月27日
クラウド型労務管理システムを選ぶ際は、入退社・社会保険手続きなどの対応業務に加え、既存システムとの連携性やセキュリティ、料金体系を比較することが重要です。
紙やExcelによる労務管理では、従業員情報の更新や書類作成、各種手続きに手間がかかりやすくなります。クラウド型システムを活用すれば、こうした業務の効率化が期待できますが、製品によって対応機能や料金、サポート体制は異なります。
本記事では、クラウド型労務管理システムのおすすめ7選を比較し、選び方や料金相場、メリット・デメリットを解説します。オンプレミス型との違いや導入時の注意点も紹介するので、自社に適した製品の選定にお役立てください。
クラウド型とオンプレミス型の労務管理システムの違い

クラウド型とオンプレミス型の労務管理システムは、システムの利用環境や費用構造、保守・管理の方法が異なります。クラウド型はインターネット経由でサービスを利用する方式で、自社サーバーの構築が原則不要です。一方、オンプレミス型は自社で管理するサーバーなどにシステムを構築・運用する方式です。
主な違いは以下の通りです。
比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
|---|
利用環境 | インターネット経由で利用 | 自社管理のサーバーなどで運用 |
初期費用 | 比較的抑えやすい | サーバー構築などで高額になりやすい |
運用費用 | 月額・年額の利用料が中心 | 保守費用やサーバー維持費などが発生 |
保守・更新 | 主にサービス提供会社が対応 | 自社または委託先が対応 |
カスタマイズ性 | 提供される機能・設定範囲に制約がある | 独自要件に合わせて構築しやすい |
セキュリティ管理 | 提供会社と利用企業で役割を分担 | 自社または委託先が主体となって管理 |
システムの導入形態は、初期費用や運用体制だけでなく、自社の労務管理フローに合わせた設定・変更のしやすさにも影響します。サーバー管理の負担を抑えたい企業にはクラウド型、独自の業務要件に合わせた構築を重視する企業にはオンプレミス型が選択肢となります。自社の予算や管理体制、必要な機能を踏まえて判断することが大切です。

入退社手続きや社会保険の電子申請、従業員情報の管理など、クラウド型労務管理システムの対応業務は製品によって異なります。また、既存の勤怠・給与システムとの連携方法や料金体系にも違いがあります。ここでは、おすすめのクラウド型労務管理システム7製品について、それぞれの特徴や強みを紹介します。
サービス名 | こんな企業におすすめ |
|---|
SmartHR労務管理 | 従業員の手続きをオンライン化し、最新の情報を一元管理したい |
オフィスステーション 労務 | 既存システムを活用しながら、労務手続きを電子化したい |
freee人事労務 | 入退社から勤怠・給与・年末調整まで一元管理したい |
ジョブカン労務HR | 労務手続きの進め方を明確にし、抜け漏れを防ぎたい |
ジンジャー人事労務 | 自社に合わせて必要な機能から段階的に導入したい |
HRBrain 労務管理 | 労務情報を一元管理し、人材管理にも活用したい |
奉行Edge 労務管理電子化クラウド | 労務手続きを標準化し、業務の属人化を防ぎたい |
株式会社SmartHR
出典:SmartHR労務管理 https://smarthr.jp/function/labor-management/
従業員の手続きをスマホで完結させ、最新の従業員情報を一元管理したい企業向け
強み
・雇用契約の電子締結と入社手続きをオンライン化
・スマホアプリで全従業員が手続きを申請
・120以上の外部サービスと連携
SmartHR労務管理は、株式会社SmartHRが提供するクラウド型の労務管理システムです。雇用契約の電子締結や入社手続き、従業員情報の収集から、e-Govを利用した電子申請、年末調整まで、労務業務をオンラインで進められます。
入社が決まった従業員の情報を登録すると、雇用契約書や行政手続き書類が自動で作成され、転記ミスを防げます。従業員はスマホアプリから住所変更や扶養変更を申請でき、集めた情報は従業員データベースに蓄積されます。120以上の外部サービスと連携でき、法改正に対応した機能アップデートも随時行われます。ISO/IEC27001も取得しています。メッセージ機能と通勤経路検索はオプションで、一部書類は電子申請に対応していません。
株式会社エフアンドエム
出典:オフィスステーション 労務 https://www.officestation.jp/roumu/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
現行の給与・勤怠システムを使いながら、社会保険・労働保険の手続きを電子化したい企業向け
強み
・社会保険・雇用保険・労働保険など128種類の帳票に対応
・他社の給与・勤怠システムとAPI連携、非対応ならCSV連携
・二段階認証や暗号化、ISO/IEC27001・27018取得
オフィスステーション 労務は、株式会社エフアンドエムが提供するクラウド型の労務管理システムです。入社・退職・扶養変更・育児休業などの手続きごとに、社会保険・雇用保険・労働保険などの帳票を登録データから自動作成できます。e-Govによる電子申請に対応し、一括申請や健康保険組合向けの申請も可能です。
従業員はマイページから入社時の情報入力や身上変更の申請ができ、雇用契約書の合意・更新もオンラインで完結します。給与・勤怠システムとはAPI連携でき、非対応の場合もCSVで連携できますが、連携できる情報は他社システムにより異なります。ログイン時の二段階認証や情報の暗号化を備え、ISO/IEC27001・27018も取得しています。年末調整や給与明細は別製品として追加する形です。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)
freee株式会社
出典:freee人事労務 https://www.freee.co.jp/hr/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
入退社から勤怠・給与・年末調整まで、一つのシステムでつなげたい企業向け
強み
・LINEで入社情報を回収し、社会保険・雇用保険の届出書を 自動作成
・対応プランでは勤怠管理・給与計算・年末調整まで一元化
・自動アップデートで法改正に対応
freee人事労務は、freee株式会社が提供するクラウド型の労務管理システムです。入社手続きや社会保険手続き、年末調整などに対応し、プランに応じて勤怠管理や給与計算まで一つのシステムで扱えます。入力した情報を後続の業務に引き継げるため、転記作業の削減にもつながります。
入社予定者はLINEやスマホから情報を入力でき、その内容をもとに社会保険・雇用保険の届出書を自動作成し、電子申請まで進められます。雇用契約書の作成・電子締結にはfreeeサインとの連携が必要で、契約プランに応じて雇用契約オプションの追加契約も必要です。年末調整では従業員がスマホから情報を入力でき、KING OF TIMEなど他社の勤怠システムとの連携や、法改正に伴う自動アップデートにも対応しています。入社手続きの電子化はスタータープラン以上で利用できます。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
株式会社DONUTS
出典:ジョブカン労務HR https://lms.jobcan.ne.jp/
無料プランあり
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
労務経験が浅くても、手続きの案内と進捗管理を見ながら進めたい企業向け
強み
・従業員情報と人事異動・在留資格の履歴を一元管理
・入退社などの帳票を自動作成し、そのまま電子申請可能
・ToDoリストと進捗管理で手続きの抜け漏れを防止
ジョブカン労務HRは、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の労務管理システムです。従業員情報を一元管理し、入退社や扶養・氏名変更などの社会保険・労働保険の手続きを、帳票作成から電子申請まで進められます。
従業員にマイページを発行し、手続きや個人情報を入力してもらえます。入力情報から帳票が自動作成され、ToDoリストが提出先や書類を案内し、手続きごとの進捗も一覧で確認できます。人事異動や在留資格の履 歴も管理できます。SSLやデータベースの暗号化、IP制限、操作履歴の記録といったセキュリティ対策も備えています。勤怠管理や給与計算はジョブカンシリーズの別サービスで、従業員情報を連携して利用します。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
jinjer株式会社
出典:ジンジ ャー人事労務 https://hcm-jinjer.com/jinji/
人事情報の項目を自社に合わせ、必要な機能から段階的に導入したい企業向け
強み
・項目や入力形式を自由にカスタマイズ
・社保手続き・書類配布・年調収集をオプションで追加
・ジンジャーシリーズと人事情報を一括反映
ジンジャー人事労務は、jinjer株式会社が提供するクラウド型の労務管理システムです。入社から退職までの人事情報を一つのデータベースに集約し、項目や入力形式を自社に合わせてカスタマイズできます。組織図の変更や従業員の経歴も、タイムライン形式で確認できます。
従業員情報はWeb上で収集され、人事情報に自動反映されます。社会保険手続き(e-Gov連携、一括申請)、書類配布、年末調整の収集はオプションで、必要な機能を組み合わせて導入します。ジンジャー勤怠やジンジャー給与とは、人事情報の変更内容を一括で反映でき、他社システムにはAPIで従業員情報を連携できます。ISO/IEC27001の認証を取得し、権限設定やマイナンバー管理にも対応しています。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
株式会社HRBrain
出典:HRBrain 労務管理 https://www.hrbrain.jp/procedures
必要な機能を選んで、労務データを他のHRBrain製品でも活用したい企業向け
強み
・入退社手続きから電子申請・年末調整まで幅広く対応
・e-GovとAPI連携し、複数の申請をまとめて処理
・労務データをタレントマネジメントにも活用可能
HRBrain 労務管理は、株式会社HRBrainが提供するクラウド型の労務管理システムです。社員名簿や入退社手続き、電子申請、文書作成・電子署名、マイナンバー管理、Web給与明細、年末調整などの機能を備え、利用できる機能は企業ごとに組み合わせるプランで決まります。
従業員が提出した情報は名簿に一元管理され、入退社の書類が入力情報から自動作成されます。電子申請はe-GovとAPI連携し、一括申請でき、審査状況も一覧で確認できます。労務データはHRBrainのタレントマネジメントと連携して活用でき、他社システムともデータ連携が可能です。ISO/IEC27001とISO/IEC27017の認証も取得しています。
株式会社オービックビジネスコンサルタント
出典:奉行Edge 労務管理電子化クラウド https://www.obc.co.jp/bugyo-edge/labor
担当者が変わっても止まらないよう、労務手続きを仕組み化したい企業向け
強み
・入退社・産育休など25の手続きに標準対応
・手続きごとのToDoリストで進め方を案内
・給与奉行・勤怠管理クラウドと直接連携
奉行Edge 労務管理電子化クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供するクラウド型の労務管理システムです。入退社や産前産後休業・育児休業、高年齢雇用継続給付など25の労務手続きに標準対応し、手続きごとのToDoリストで進め方を案内します。
従業員からの申請データをもとに社会保険の届出書が自動作成され、一括で電子申請できます。給与奉行クラウドや奉行Edge 勤怠管理クラウドと直接連携でき、他社の給与システムとはCSVで従業員情報を受け渡せます。給与支給額の反映には給与奉行クラウド、勤務状況の反映には奉行Edge 勤怠管理クラウドが必要です。データの暗号化やSOC2 Type2報告書の取得、法改正への自動アップデートにも対応しています。
主な機能
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
- クラウド(SaaS)

クラウド型労務管理システムを選ぶ際は、自社で効率化したい業務への対応範囲に加え、従業員情報の管理方法や既存システムとの連携性を比較することが重要です。また、個人情報を扱うため、セキュリティ対策や法改正時の更新対応、サポート体制も確認する必要があります。ここでは、自社に適した製品を選ぶための6つの比較ポイントを解説します。
入退社・社会保険手続きなど、自社に必要な業務に対応しているか
クラウド型労務管理システムを選ぶ際は、自社で効率化したい労務業務への対応範囲を確認することが重要です。主な対象業務には、入退社手続き、雇用契約、社会保険・労働保険の手続き、年末調整などがあります。ただし、製品によって対応範囲は異なり、書類作成まで対応するものや、電子申請まで行えるものなどがあります。
比較する際は、現在負担が大きい手続きを洗い出し、必要な機能が標準プランに含まれているか、オプション契約が必要かまで確認します。例えば、社会保険手続きを効率化したい場合は、対応する届出の種類に加え、e-Govを通じた電子申請や申請状況の管理ができるかも比較ポイントです。自社で扱う手続きと製品の対応範囲を照らし合わせることで、導入後に必要な業務をシステム化できない事態を避けられます。
従業員情報の収集・更新にかかる負担を減らすには、従業員自身がWeb上で情報を入力・変更できるかを確認することが重要です。クラウド型労務管理システムには、住所や扶養家族、銀行口座などの情報を従業員から直接収集できる製品があります。紙の書類やメールで情報を集めている場合は、入力依頼から回収、内容確認までの流れを比較するとよいでしょう。
特に確認したいのは、従業員による変更申請、 管理者の承認、更新履歴の確認などに対応しているかです。例えば、住所変更の申請内容を担当者が確認し、承認後に従業員情報へ反映できれば、転記作業や更新漏れを減らせます。また、スマートフォンでの入力のしやすさや、未提出者への通知機能も比較材料になります。従業員と管理者の双方が無理なく利用できるかを確認することが大切です。
既存の勤怠管理・給与計算システムと連携できる製品を選ぶことで、従業員情報の二重入力やデータの転記作業を減らせます。クラウド型労務管理システムでは、APIによるデータ連携やCSVファイルの取り込み・出力など、製品によって連携方法が異なります。そのため、連携機能の有無だけでなく、現在利用しているシステムとの接続に対応しているかを確認する必要があります。
比較する際は、氏名・住所・扶養情報・雇用区分など、どのデータを連携できるかも確認しましょう。例えば、入社時に登録した従業員情報を給与計算システムへ反映できれば、同じ内容を再入力する手間を省けます。一方、連携できる項目が限られていたり、CSVによる手動操作が必要だったりする製品もあります。連携の方向や更新頻度、追加 費用も含めて、自社の運用に合うか判断することが大切です。
個人情報を安全に管理できるセキュリティ対策があるか
従業員の個人情報をクラウド上で安全に管理するためには、サービス側のセキュリティ対策と、自社で設定できるアクセス制御の両方を確認することが重要です。労務管理システムでは、氏名・住所・給与関連情報・マイナンバーなど、機密性の高い情報を扱います。通信や保存データの暗号化、不正アクセス対策、データのバックアップなど、提供会社が実施している対策を比較しましょう。
また、担当者の役割に応じて閲覧・編集権限を制限できるかも確認が必要です。例えば、人事担当者と各部門の管理職で閲覧できる情報を分けられれば、業務に不要な個人情報へのアクセスを抑えられます。多要素認証や操作ログの記録、退職者のアカウント管理なども比較ポイントです。セキュリティ認証の取得状況だけで判断せず、実際の情報管理方法に合う機能が備わっているかを確認してください。
法改正に伴うアップデートやサポート体制が整っているか
法改正後も労務管理業務を適切に進めるためには、制度変更に伴うシステムのアップデート方針とサポート体制を確認することが重要です。クラウド型は提供会社側でシステムを更新できる点が特徴ですが、法改正への対応範囲や更新時期は製品によって異なります。社会保険の届出様式や電子申請の仕様変更などについて、どのような更新が行われるかを確認しましょう。
比較する際は、アップデート情報の通知方法や、更新に伴って利用企業側で設定変更が必要になるかも確認します。また、導入時の初期設定支援、操作方法の問い合わせ、運用開始後のトラブル対応など、サポートの範囲も重要な判断材料です。メール・チャット・電話などの対応窓口や受付時間、追加費用の有無を比較し、自社の担当者だけで無理なく運用できる体制を整えられるか判断しましょう。
クラウド型労務管理システムの料金を比較する際は、月額料金だけでなく、自社の従業員数や必要な機能に応じた総費用を確認することが重要です。料金体系に は、従業員数に応じた従量課金制、基本料金と従量料金を組み合わせた方式、機能別のプラン制などがあります。料金が安く見えても、最低利用料金や最低契約人数によって、想定より費用が高くなる場合があります。
比較する際は、入退社手続きや電子申請、年末調整など、利用したい機能がどのプランに含まれるかを確認しましょう。また、初期設定費用、オプション料金、導入支援費用などが別途発生するかも重要です。従業員数の増加による料金変動や契約期間も含め、自社の利用条件で見積もりを取得すると、製品間の費用を比較しやすくなります。
クラウド型労務管理システムは、場所を問わず利用でき、保守・更新の負担を軽減できる一方、通信環境への依存やカスタマイズの制約がデメリットです。それぞれの特徴を理解し、自社の運用に適しているか判断しましょう。
クラウド型労務管理システムのメリット
- 場所を問わず労務管理 業務を進めやすい
- システムの保守・更新にかかる自社の負担を軽減できる
クラウド型は、インターネット環境があればオフィス以外からも従業員情報の確認や各種手続きを行えるため、リモートワークにも対応しやすい点が特徴です。また、サーバーの管理やシステムの更新は基本的にサービス提供会社が担うため、自社の保守作業を減らし、労務担当者が本来の業務に集中しやすくなります。
クラウド型労務管理システムのデメリット
- 通信環境やサービス障害の影響を受ける
- サービスの仕様によってカスタマイズに制約がある
インターネットに接続できない場合やサービス側で障害が発生した場合、従業員情報の確認や手続きが一時的に行えなくなる可能性があります。また、独自の申請・承認フローや管理項目に対応できない製品もあります。導入前に、自社の業務に合わせて設定できる範囲や、障害発 生時の対応方法を確認しておくことが大切です。
クラウド型労務管理システムの料金は、掲載サービスのうち公開料金を確認できる従量課金型では、従業員1人あたり月額400〜1,100円(税抜)が目安の一つです。料金体系には、従業員数に応じた従量課金制、月額固定制、プラン別の料金設定などがあります。一方、具体的な料金を公開せず、企業ごとに見積もりを行うサービスもあります。
料金は、従業員数や契約プラン、利用する機能によって変わります。入退社手続きや社会保険の電子申請などが標準機能に含まれるか、オプション契約が必要かも確認が必要です。また、初期費用が無料の製品がある一方、初回登録料や導入支援費用が発生する製品もあり、月額料金だけでは総費用を判断できません。
費用を比較する際は、自社の従業員数と必要な機能をもとに、初期費用を含めた総額を確認することが大切です。最低利用料金や契約期間、従業員数の増加による料金変動にも注意しましょう。あわせて、書類作成や情報収集、電子申請などの業務負担を どこまで減らせるかを考慮すると、費用対効果を判断しやすくなります。

クラウド型労務管理システムを円滑に導入・運用するには、既存データの移行方法やシステム化する業務範囲を整理し、社内の運用ルールを決めておくことが大切です。また、従業員自身が情報入力や申請を行う場合は、操作方法の周知も欠かせません。ここでは、導入前に準備しておきたい3つのポイントを解説します。
クラウド型労務管理システムへの移行では、既存の従業員情報や書類を正確に引き継げるよう、データの移行方法を確認することが重要です。氏名・住所・雇用形態・扶養情報などの従業員データに加え、雇用契約書や各種申請書類など、移行が必要な情報を洗い出します。紙やExcel、既存システムなど、現在の管理方法によって移行作業も異なります。
移行時は、CSVファイルでの一括登録に対応しているか、書類をアップロードできるか、既存データの形式を変換する必要があるかを確認しましょう。また、重複データや古い情報を整理し、移行後に登録内容が正しく反映されているか照合することも欠かせません。個人情報を扱うため、データの受け渡し方法や移行作業に関わる担当者のアクセス権限も事前に決めておくと、安全かつ円滑に移行を進められます。
クラウド型労務管理システムの導入前に、どの業務をシステム上で管理し、誰が対応するのかを明確にしておくことで、導入後の運用の混乱を防げます。入退社手続き、社会保険の電子申請、従業員情報の変更申請などから対象業務を整理し、紙や既存システムで引き続き管理する業務との役割分担を決めます。
あわせて、従業員からの申請を誰が確認・承認するか、登録情報をいつ更新するかなど、具体的な業務フローを定めることが必要です。例えば、住所変更の申請を従業員本人が行い、人事担当者が承認する運用にすれ ば、情報更新の担当範囲を明確にできます。また、クラウド上で扱う個人情報については、部署や役職に応じた閲覧・編集権限を設定し、必要な担当者だけがアクセスできる体制を整えましょう。
クラウド型労務管理システムを定着させるには、人事・労務担当者だけでなく、実際に利用する従業員にも操作方法や申請ルールを周知することが重要です。従業員自身がWeb上で情報を入力・変更する運用では、ログイン方法や初期設定、申請手順などを事前に案内することで、導入直後の問い合わせや入力ミスを減らせます。
周知する際は、利用開始日、対象となる手続き、申請期限、問い合わせ先を明確にし、操作マニュアルや画面付きの案内資料を用意すると効果的です。特に、スマートフォンやパソコンの操作に不慣れな従業員がいる場合は、説明会や個別サポートも検討しましょう。また、運用開始後は申請の提出状況や問い合わせ内容を確認し、必要に応じて案内方法や運用ルールを見直すことで、社内への定着を進められます。

クラウド型労務管理システムの導入を検討する際は、無料で利用できるか、少人数の企業でも導入できるかといった疑問も生じます。ここでは、料金や利用人数に関するよくある質問に回答します。
無料で利用できるクラウド型労務管理システムはありますか
無料で利用できるクラウド型労務管理システムはあります。例えば、SmartHRには従業員30名以下の企業向けの「¥0プラン」があり、入社手続き・雇用契約、年末調整、給与明細などの機能を利用できます。また、ジョブカン労務HRにも従業員5名まで利用できる無料プランが用意されています。
ただし、無料プランでは利用人数や機能に制限が設けられているため、必要な業務に対応できるか確認が必要です。例えば、ジョブカン労務HRの無料プランでは、電子申請や年末調整機能を利用できません。また、一定期間だけ有料機能を試せる無料トライアルと、継続して利用できる無料プランは異なります。本格導入を検討する際は、利用できる機能や人数の上限、有料プランへの移行条件を確認しましょう。
クラウド型労務管理システムは少人数の企業でも導入できますか
クラウド型労務管理システムは、少人数の企業でも導入できます。自社でサーバーを構築する必要がなく、インターネット環境を通じて利用できるため、小規模な企業でも導入を検討しやすい仕組みです。従業員数が少なくても、入退社手続きや従業員情報の管理、書類作成などに負担を感じている場合は、システム化による業務効率化が期待できます。
ただし、利用料金は従業員数に完全に比例するとは限りません。例えば、オフィスステーション 労務は従業員数に応じた従量課金制ですが、10名以下の場合は月額4,400円(税込)の一律料金が設定されています。少人数で導入する場合は、最低利用料金や初期費用、必要な機能の利用条 件を確認し、現在の業務負担に対して費用が見合うかを判断することが大切です。
まとめ|クラウド型労務管理システムで労務業務を効率化しよう
クラウド型労務管理システムは、入退社・社会保険手続きや従業員情報の管理などをオンライン化し、労務担当者の業務負担を軽減するために役立ちます。製品によって対応機能や連携性、料金体系が異なるため、自社で効率化したい業務を明確にし、必要な機能を比較することが大切です。
導入時は、既存データの移行方法や社内の運用ルールも整理し、従業員が無理なく利用できる体制を整えましょう。複数のサービスを比較し、自社の課題や予算に適したクラウド型労務管理システムを選定してください。