社会保険の電子申請とは?義務化の対象や申請方法・手順を解説
更新日 2026年10月30日
社会保険の電子申請は、e-Govや届書作成プログラム、対応する労務管理システムなどを利用して行えます。一定の条件に該当する法人には、対象手続きの電子申請が義務付けられていますが、すべての企業・手続きが義務化されているわけではありません。
自社が義務化の対象かどうかに加え、どの申請方法を選び、何を準備 すればよいのか迷うこともあるでしょう。申請件数や既存の管理方法によって、適した手段も異なります。
本記事では、社会保険の電子申請の対象企業・手続き、申請方法の違い、必要な準備から申請手順まで解説します。メリットや注意点も整理し、自社に合う方法で申請業務を進めるための判断材料を紹介します。

社会保険の電子申請とは、健康保険や厚生年金保険などに関する届出を、インターネットを通じてオンラインで行う手続き方法です。従来の紙による申請とは異なり、書類を印刷して郵送したり、年金事務所などの窓口へ持参したりすることなく、申請・届出を行えます。
電子申請には、行政手続きのオンライン窓口であるe-Govのほか、日本年金機構が提供する届書作成プログラムや、電子申請に対応した労務管理システムなどを利用できます。企業の人事・労務担当者は、電子申請を活用することで、紙の書類を扱う業務負担を減らし、社会保険手続きを効率化できます。
※ 出典:日本年金機構「社会保険の手続きはオンラインで!」
https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/denshibenri.files/jigyousho_online.pdf

社会保険の電子申請は、2020年4月から一定の法人に対して義務化されています。ただし、すべての企業や社会保険手続きが義務化の対象となるわけではありません。また、義務化の対象ではない手続きでも、電子申請に対応していれば任意で利用できます。ここでは、義務化される法人の条件と対象手続き、電子申請に対応している主な届出を解説します。
社会保険の電子申請が義務付けられるのは、資本金が1億円を超える法人など、法令で定められた特定法人です。2020年4月以降に開始する各法人の事業年度から義務化が適用され、該当する法人が対象の社会保険手続きを行う際には、原則として電子申請を利用する必要があります。
電子申請の義務化対象となる法人
- 事業年度開始時の資本金・出資金などが1億円を超える法人
- 保険業法に規定される相互会社
- 投資信託及び投資法人に関する法律に規定される投資法人
- 資産の流動化に関する法律に規定される特定目的会社
資本金などの金額は、毎年度の事業年度開始時点で判定されます。そのため、年度途中に増資・減資があっても、その年度の義務化対象の判定は原則として変わりません。なお、電子申請の義務化に違反したこと自体への罰則は設けられていません。ただし、対象法人には電子申請の義務があるため、電子申請に対応できる環境を整え、対象手続きを電子申請で行う必要があります。
※ 出典:厚生労働省「特定法人に係る電子申請の義務化Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000867798.pdf
※ 出典:日本年金機構「事業年度の途中で、資本金 等を変更する場合、いつの時点をもって電子申請義務化の対象になるのでしょうか。」
https://www.nenkin.go.jp/section/faq/denshi/denshishinsei/gimuka/2020040135.html
※ 出典:厚生労働省「特定法人に係る電子申請の義務化Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/000606943.pdf
特定法人に電子申請が義務付けられている健康保険・厚生年金保険の手続きは、主に報酬や賞与に関する3種類の届出です。従業員の給与・賞与に関する情報を届け出る際、対象法人は原則として電子申請で提出します。
義務化対象の届出 | 主な内容 |
|---|
被保険者報酬月額算定基礎届 | 毎年の定時決定に必要な報酬月額を届け出る |
被保険者報酬月額変更届 | 固定的賃金の変動などに伴う随時改定の対象者について届け出る |
被保険者賞与支払届 | 従業員に支払った賞与について届け出る |
これらは社会保険料の算定に関わる手続きであり、企業の人事・労務担当者が定期的に対応する業務です。一方、資格取得届や資格喪失届などは、特定法人に対する上記の電子申請義務化の対象には含まれていません。電子申請が可能な手続きと、電子申請が義務付けられる手続きは区別して把握する必要があります。
※ 出典:厚生労働省「特定法人に係る電子申請の義務化Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000867798.pdf
社会保険の電子申請は、義務化対象の3種類だけでなく、従業員の入退社や扶養家族の異動など、さまざまな手続きに利用できます。日本年金機構では、健康保険・厚生年金保険に関する主要な届出を電子申請に対応させています。
主な手続き | 届出の内容 |
|---|
被保険者資格取得届 | 従業員の入社などによる社会保険への加入 |
被保険者資格喪失届 | 退職などによる社会保険資格の喪失 |
被扶養者(異動)届 | 扶養家族の追加・削除など |
算定基礎届 | 定時決定に伴う報酬月額の届出 |
月額変更届 | 随時改定に伴う報酬月額の届出 |
賞与支払届 | 賞与の支払状況の届出 |
産前産後休業・育児休業に関する届出 | 休業の取得や終了などに伴う手続き |
ただし、対応する届書は申請方法によって異なります。例えば、日本年金機構の届書作成プログラムでは、上記のうち産前産後休業・育児休業に関する届書の作成には対応していません。また、各届出には提出期限が定められているため、対象手続きとあわせて確認し、期限内に申請を進めます。
※ 出典:日本年金機構「電子申請(e-Gov)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/e-gov.html
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html

社会保険の電子申請には、e-Govから直接申請する方法、日本年金機構の届書作成プログラムを利用する方法、電子申請に対応した労務管理システムを利用する方法があります。それぞれ対応する手続きや届書の作成方法、費用が異なるため、自社の申請件数や業務体制に合わせて選ぶことがポイントです。
まずは、3つの申請方法の違いを比較表で確認しましょう。
比較項目 | e-Gov直接申請 | 届書作成プログラム | 労務管理システム |
|---|
提供元 | デジタル庁 | 日本年金機構 | 各システム提供会社 |
利用料金 | 無料 | 無料 | 製品・プランによる |
対応手続き | 社会保険を含む幅広い行政手続き | 主要な社会保険関係の7種類の届書 | 製品による |
主な特徴 | 申請画面から直接入力・提出できる | 被保険者情報を活用して届書を作成できる | 登録済みの従業員情報を申請データに活用できる |
適している企業 | 申請件数が比較的少ない | 対応する届書を中心に申請する | 申請件数が多く、従業員情報と一元管理したい |
※利用料金は各サービス・ソフトウェアの料金です。電子証明書の取得費用などが別途発生する場合があります。また、対応する手続きや認証方法には条件があります。
e-Govからの直接申請は、幅広い社会保険手続きをオンラインで行いたい企業に適しています。e-Govはデジタル庁が運営する電子申請サービスで、健康保険・厚生年金保険を含むさまざまな行政手続きに対応しています。申請画面に必要事項を直接入力して届出を行える点が特徴です。
主な特徴
- 無料で利用できる
- 社会保険を含む幅広い行政手続きに対応している
- 申請画面への直接入力や、作成済みデータの添付による申請ができる
適している企業
- 社会保険の申請件数が比較的少ない企業
- 有料の労務管理システムを導入せずに電子申請したい企業
一方、届出内容を個別に入力する場合は、申請件数に応じて作業負担が増えます。従業員情報の転記作業なども踏まえて選ぶとよいでしょう。
※ 出典:e-Gov電子申請「電子申請について」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/about-appli
届書作成プログラムは、社会保険の主要な届書を効率的に作成・申請したい企業に適しています。日本年金機構が提供する無料のソフトウェアで、資格取得届・資格喪失届・算定基礎届など7種類の届書に対応しています。被保険者情報を活用した届書作成や入力内容のチェックができる点が、e-Govの直接申請との主な違いです。
主な特徴
- 無料で利用できる
- 主要7種類の社会保険関係の届書に対応している
- 被保険者情報の再利用や入力内容のチェックができる
適している企業
- 対応する届書を中心に、複数人分の手続きを行う企業
- 有料システムを導入せず、届書作成の負担を減らしたい企業
一方、対応していない手続きには別の申請方法が必要です。また、ソフトウェアのインストールや更新、登録データの管理を自社で行う必要があります。
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html
労務管理システムを利用した電子申請は、従業員情報の管理から社会保険手続きまでを効率化したい企業に適しています。e-Govの電子申請APIに対応したシステムでは、登録済みの従業員情報を活用して申請データを作成し、システム上から電子申請できます。
主な特徴
- 登録済みの従業員情報を申請データに活用できる
- 対応製品では申請状況の確認や公文書の取得も行える
- 電子申請の対応範囲や料金体系は製品によって異なる
適している企業
- 入退社などに伴う社会保険手続きが頻繁に発生する企業
- 従業員情報の管理と電子申請を一元化したい企業
従業員情報の転記や二重入力を減らせる一方、製品によって対応する届出や連携機能に違いがあります。導入時は、自社で必要な手続きに対応しているか、既存システムと連携できるか、費用に見合う効率化が期待できるかを比較します。
※ 出典:e-Gov電子申請「ソフトウェアを利用した電子申請」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/service-policy/usage-environment/software.html

社会保険の電子申請を始めるには、申請者の認証手段を用意し、届出に必要な情報や書類をそろえる必要があります。また、利用する申請方法によっては、アカウントの登録や専用アプリケーションのインストールなども必要です。申請時の不備や手戻りを防ぐため、事前に準備する内容を確認しておきましょう。
社会保険の電子申請では、利用する申請方法や手続きに対応した認証手段を用意します。主な認証手段には、GビズID・電子証明書・マイナンバーカードがあり、それぞれ利用できる申請方式や条件が異なります。
主な認証手段
- GビズID: 法人・個人事業主向けの共通認証サービス。対応する手続きでは電子署名を省略して申請できる
- 電子証明書: 申請者の本人確認や電子署名に利用する電子的な証明書。取得費用が発生する場合がある
- マイナンバーカード: 対応する申請方式で本人認証や電子署名に利用できる
GビズIDには、法人代表者などが取得する「GビズIDプライム」と、従業員向けの「GビズIDメンバー」があります。また、e-Govでは利用する手続きによって電子署名の要否が異なり、届書作成プログラムではGビズIDや所定のマイナンバーカードを利用できます。自社が選択した申請方法に対応する認証手段を確認し、事前に取得・設定しておきます。
※ 出典:日本年金機構「GビズID」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/gbiz-id.html
※ 出典:e-Gov電子申請「利用準備」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/preparation
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成 プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html
社会保険の電子申請を円滑に進めるため、申請する手続きに応じた事業所情報や従業員情報、添付書類を事前にそろえます。例えば、資格取得届と算定基礎届では入力する内容が異なるため、対象の届書に必要な項目を確認しておくと、入力漏れや書類不足を防げます。
主な準備項目
- 事業所情報: 事業所整理記号、事業所番号など
- 従業員情報: 氏名、生年月日、マイナンバーまたは基礎年金番号など
- 届出に関する情報: 資格取得年月日、報酬月額、賞与額、支払基礎日数など
- 添付書類: 手続きに応じて提出が求められる書類
必要な情報や添付書類は届出によって異なり、書類の電子ファイルでの添付や別送が必要になる場合もあります。申請前に日本年金機構やe-Govの手続き案内で提出条件を確認してください。また、労務管理システムの登録情報を利用する場合は、従業員情報が最新の状態になっているかも確認しておくと、誤った情報での申請を防げます。
※ 出典:e-Gov電子申請「添付書類を入力する」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/help/guide/procedure/attachment.html
※ 出典:日本年金機構「電子申請(e-Gov)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/e-gov.html

社会保険の電子申請は、申請する手続きの選択と届書データの作成、電子申請による提出、申請状況の確認という3ステップで進めます。e-Gov・届書作成プログラム・労務管理システムでは具体的な操作方法が異なりますが、基本的な流れは共通しています。ここでは、申請前の準備が完了していることを前提に、社会保険の電子申請を進める手順を解説します。
ステップ1|申請する手続きを選び、届書データを作成する
まずは申請する社会保険手続きを選び、必要な情報を入力して届書データを作成します。例えば、従業員の入社時には被保険者資格取得届、賞与を支払った場合には賞与支払届など、届出の目的に合っ た手続きを選択します。
届書データの作成方法は、利用する申請手段によって異なります。
申請方法 | 届書データの作成方法 |
|---|
e-Gov | 対象手続きを検索・選択し、申請画面に必要事項を入力する |
届書作成プログラム | 登録した被保険者情報などを利用して届書を作成する |
労 務管理システム | 対応製品では、登録済みの従業員情報を活用して申請データを作成する |
作成時は、氏名や生年月日、資格取得年月日、報酬月額など、届書ごとに求められる項目を正確に入力します。手続きに対応した様式を使用し、必要な情報に漏れがないか確認することで、申請後の差し戻しを防げます。
※ 出典:e-Gov電子申請「電子申請について」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/about-appli
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html
届書データを作成したら、入力内容と添付書類を確認し、電子申請で提出します。特に、事業所情報や従業員情報、届出年月日、報酬額などに誤りがないかを確認します。添付書類が必要な手続きでは、指定された形式でファイルを添 付するか、案内に従って別送します。
内容を確認した後、e-Govでは申請画面から提出します。届書作成プログラムでは、プログラムの申請機能を利用するか、出力した申請データをe-Govに添付して送信できます。労務管理システムを利用する場合は、製品の電子申請機能から提出します。
申請が正常に送信されたら、受付状況や到達番号などを確認します。ただし、電子申請の送信完了は、行政機関での審査・手続き完了を意味するものではありません。提出後も処理状況を確認する必要があります。
※ 出典:e-Gov電子申請「電子申請について」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/about-appli
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html
電子申請後は、申請が正常に受け付けられ、手続きが完了しているかを確認します。e-Govではマイページの「申請案件一覧」から処理状況を確認でき、届書作成プログラムでは「届書の申請・申請状況の照会」から確認できます。労務管理システムの場合は、製品が対応する機能や画面で進捗を確認します。
申請内容に不備がある場合は、行政機関から補正や返戻に関する通知が届くことがあります。通知内容を確認し、必要に応じて修正・再提出を行います。
審査が完了し、公文書が発出された場合は、電子データをダウンロードして内容を確認・保管します。ただし、手続きによっては公文書が発出されない場合もあります。提出したまま放置せず、処理結果まで確認して一連の申請業務を完了させます。
※ 出典:e-Gov電子申請「申請等の処理状況を確認する」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/help/guide/confirm/
社会保険の電子申請を利用すると、紙の書類を郵送したり窓口へ持参したりする手間がなくなり、人事・労務担当者の申請業務を効率化できます。また、インターネットを通じて申請できるため、時間や場所に制約されずに手続きを進められる点もメリットです。
主なメリットは以下の通りです。
メリット | 内容 |
|---|
時間や場所を問わず申請できる | インターネット環境があれば、原則24時間365日、自宅や職場から申請できる |
申請にかかる時間・コストを削減できる | 窓口への移動や待ち時間がなくなり、交通費・郵送費も削減できる |
書類の印刷・郵送の負担を軽減できる | 届書を電子データで提出できるため、紙の書類を扱う作業が減る |
申請状況をオンラインで確認できる | 対応する申請サービスでは、処理状況や行政機関からの通知を確認できる |
特に、入退社や報酬の変更などで社会保険手続きを繰り返し行う企業では、書類の提出にかかる作業を減らせます。ただし、電子申請によって削減できる業務の範囲は、利用する申請方法や社内の運用体制によって異なります。申請データの作成や従業員情報の管理も効率化したい場合は、労務管理システムの活用が選択肢となります。
※ 出典:日本年金機構「電子申請にはどのようなメリットがありますか。」
https://www.nenkin.go.jp/section/faq/denshi/denshishinsei/gaiyou/2020040128.html
※ 出典:e-Gov電子申請「電子申請について」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/about-appli
社会保険の電子申請を導入・運用する際は、初期設定の負担やシステム障害、個人情報の管理に注意が必要です。紙申請に比べて提出業務を効率化できる一方、電子申請ならではの準備や運用上のリスクもあるため、事前に対策を考えておくことが大切です。
主な注意点は以下の通りです。
注意点 | 内容 |
|---|
初期設定や操作方法の習得に手間がかかる | アカウント設定や専用ソフトの導入、操作方法の習得など、利用開始時に一定の負担が生じる |
システム障害やメンテナンスの影響を受ける | サービス停止や通信障害により、一時的に申請できなくなる場合がある |
電子データの管理やセキュリティ対策が求められる | 従業員の個人情報を扱うため、アクセス権限やデータの保存方法を適切に管理する |
特に、社会保険の届出には手続きごとに提出期限が定められています。システム障害などで申請が遅れないよう、余裕を持って手続きを進めることが望まれます。また、電子申請では従業員のマイナンバーなどの機密情報を扱うため、担当者ごとのアクセス権限を設定し、申請データや公文書の保存・管理ルールを整えておくとよいでしょう。
※ 出典:e-Gov電子申請「メンテナンス情報」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/maintenance
※ 出典:個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」
https://www.ppc.go.jp/legal/policy/

社会保険の電子申請を検討する際は、利用料金や紙申請の可否、社会保険労務士への委託について疑問を持つこともあるでしょう。ここでは、電子申請の導入・運用に関するよくある質問に回答します。
社会保険の電子申請は、e-Govや日本年金機構の届書作成プログラムを利用すれば、無料で行えます。e-Govは電子申請サービスの利用料金がかからず、届書作成プログラムも無料でダウンロード・利用できます。
ただし、電子署名が必要な手続きでは、電子証明書の取得費用が発生する場合があります。また、労務管理システムを利用する場合は、製品や契約プランに応じた料金が必要です。電子申請自体にかかる費用と、認証手段やシステムの導入・利用にかかる費用を分けて確認するとよいでしょう。
※ 出典:e-Gov電子申請「e-Gov電子申請サービスのご利用にあたって」
https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/help/faq/scope.html
※ 出典:日本年金機構「電子申請(届書作成プログラム)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/program.html
電子申請が義務化されていない企業は紙で申請できますか
電子申請が義務化されていない企業は、従来どおり紙の届書で社会保険手続きを行えます。また、義務化の対象外であっても、希望すれば電子申請を利用できます。
一方、電子申請が義務化されている法人は、対象手続きについて原則として電子申請が必要です。ただし、通信障害や災害などによって電子申請が困難と認められる場合には、例外的に紙などの方法による提出が認められることがあります。
※ 出典:厚生労働省「特定法人に係る電子申請の義務化Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000867798.pdf
社会保険の電子申請は、社会保険労務士(社労士)に代行を依頼できます。資格取得届・資格喪失届や算定基礎届などの手続きを委託することで、企業側で申請書類の作成や提出を行う負担を減らせます。
社労士が事業主に代わって電子申請する場合は、原則として「提出代行に関する証明書」が必要です。また、社労士がGビズIDを利用して申請する場合、事業所側でGビズIDを取得する必要はありません。委託費用や対応範囲は依頼先によって異なるため、申請代行の対象となる手続きや契約条件を確認しておくとよいでしょう。
※ 出典:日本年金機構「社会保険労務士の方へ(電子申請における委任状・提出代行証明書)」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/oshirase/sharoushi/syarousiteisyutu.html
※ 出典:日本年金機構「社会保険労務士が電子申請により手続きを代行する場合、GビズIDはどのように取得するのですか。また、適用事業所において必要な手続きはありますか。」
https://www.nenkin.go.jp/section/faq/denshi/denshishinsei/gbiz-id/2020040109.html
まとめ|社会保険の電子申請を活用して労務業務を効率化しよう
社会保険の電子申請は、書類の郵送や窓口への持参を減らし、人事・労務担当者の申請業務を効率化できる方法です。一定の法人には対象手続きの電子申請が義務付けられていますが、義務化の対象外となる企業も任意で利用できます。
電子申請には、e-Govや届書作成プログラム、労務管理システムなどを利用できます。それぞれ対応する手続きや機能、費用が異なるため、自社の申請件数や業務体制に合わせて選ぶことがポイントです。
特に、従業員情報の管理から申請までを効率化したい場合は、電子申請に対応した労務管理システムの導入も選択肢となります。自社に適した申請方法を選び、社会保険手続きの負担軽減につなげましょう。
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