中小企業におすすめの労務管理システム5選。料金相場とメリットも解説
更新日 2026年06月02日
労務管理システムの導入により、中小企業の手作業による負担を大幅に削減できます。本記事では、中小企業向けのおすすめサービス5選や、料金相場、メリット、デメリット、選び方を解説します。
労務管理システムのFAQ
Q. 中小企業で労務管理システムを導入するメリットは?
A. 入退社・年末調整などの定型業務を自動化して工数を削減します。少人数の労務担当者でも適正な管理体制を維持することが可能になります。
Q. 中小企業における労務管理システムの初期費用・月額料金の相場は?
A. 初期費用の相場は5万〜20万円、月額料金は1人あたり300〜500円が目安です。従量課金制が主流で、従業員数が増えるほど費用も上がります。
Q. 中小企業向けの労務管理システムはどれ?A. マネーフォワードクラウド社会保険、freee人事労務、ジョブカン労務HRなど5サービスが中小企業に人気です。
▶中小企業に人気の労務管理システムをチェックする 
労務管理システムとは、入退社手続きや社会保険の電子申請、年末調整といった労務定型業務をクラウドで一元管理するツールです。従業員データをマスター情報として集約し、各種書類の自動作成やe-Gov連携による行政への電子申請をオンラインで完結させられます。
専任担当を置く余裕が少ない中小企業でも扱いやすいクラウド型が多く登場しており、インターネット環境があればすぐに運用をはじめられます。
「労務管理システム」と「勤怠管理システム」は混同されやすいですが、 管理対象が大きく異なります。両者の違いを以下の表で整理しました。
システム | 管理対象 | 主な機能 | 連携関係 |
|---|
勤怠管理システム | 出退勤・残業・有給休暇 | 打刻・シフト管理・残業集計 | 労務管理システムと連携し、打刻データを給与計算へ渡す |
労務管理システム | 雇用契約・社会保険・年末調整 | 電子申請・書類作成・マイナンバー管理 | 勤怠システムからデータを受け取り、社会保険料の算定に活用する |
勤怠管理は出退勤の記録が主な目的であり、広義の労務管理の一部にあたります。多くの労務管理システムは勤怠機能を含んでいるか、専用の勤怠システムとAPI連携して使う設計です。
中小企業では、労務担当者が総務や経理などを兼務するケースが多く、入退社や年末調整のたびに業務が集中しがちです。加えて、近年は労務に関わる法改正が相次いでおり、手作業での対応が限界に近づいています 。
2024年10月には社会保険の適用対象が従業員51人以上の企業へ拡大し、2025年1月からは労働安全衛生関係の書類提出における電子申請が原則義務化されています。さらに2026年10月には社会保険の適用拡大で規模要件が撤廃され、週20時間以上働くパート・アルバイトへの加入対応が全企業に求められる見込みです。
手作業での管理を続けると書類の記入ミスや担当者の属人化が進み、急な退職や引き継ぎで業務が滞るリスクがあります。労務管理システムの導入で、こうした中小企業固有の課題を仕組みとして解消できます。
労務管理システムを導入することで、日常的な労務業務の効率が大きく変わります。代表的なメリットを4つ紹介します。
中小企業が労務管理システムを導入する4つのメリット
労務管理システムを導入すると、入退社時に必要な書類の作成・収集・提出が大幅に効率化されます。従業員がスマートフォンから直接情報を入力すると、システムが雇用保険・社会保険の申請書類を自動生成。担当者が手作業でExcelへ転記したり、記入内容を一枚ずつ確認したりする工程がなくなります。
年末調整では、扶養控除等申告書の回収からデータ反映・源泉徴収票の出力まで一連のフローを自動化できます。繁忙期に業務が集中しがちな中小企業ほど、この自動化による工数削減の恩恵を受けやすいです。
書類を電子化して情報漏えいリスクと印刷・郵送コストを削減する
紙の書類管理は、封筒・切手・印刷代といったコストが従業員の入退社のたびに発生します。従業員1人の入社手続きで雇用契約書・各種届出書類を郵送すると、それだけで数百〜数千円のコストがかかります。労務管理システムで書類を電子化すれば、こうした消耗品費と郵送コストをゼロにできます。担当者が印刷・封入・発送に費やしていた作業時間も丸ごと削減できる点も大きなメリットです。
同時に、マイナンバーや雇用契約書などの機密情報もクラウド上で安全に管理できます。データはAWSなど堅牢なサーバーへ暗号化して保存され、アクセス権限の設定や閲覧ログの記録により物理的な紛失・盗難リスクも排除します。コスト削減とセキュリティ強化を同時に実現できる点が、電子化の利点です。
法改正による保険料率・申請書式の変更を自動で反映する
毎年改定される社会保険料率やe-Govの申請書式の変更に、手作業で対応し続けるのは担当者にとって大きな負担です。
労務管理システムは、法改正に合わせてベンダー側がアップデートを自動で適用する仕組みを持っています。担当者が料率表を調べて手動で書き換える作業がなくなり、設定漏れによる計算ミスや未対応リスクを防げます。専任の労務スタッフを置けない中小企業でも、常に最新の法令に準拠した運用を維持できます。
給与・勤怠システムと自動連携し、二重入力によるミスを防ぐ
従業員の住所変更や扶養家族の追加があると、労務管理・給与計算・勤怠管理の各システムに同じ情報を入力し直す手間が発生しがちです。労務管理システムをAPI連携させることで、データが自動的に各システムへ反映され、二重入力の作業そのものをなくせます。
月次の給与計算時に社会保険料の控除額を手動で転記する工程もなくなるため、入力ミスや計算ミスのリスクを大幅に減少。連携できるシステムが多いほど、情報一元管理の効果も高まります。
導入のメリットが大きい一方で、あらかじめ把握しておくべき注意点もあります。3つのポイントを確認しておきましょう。
中小企業向け労務管理システムの3つのデメリット・注意点
多くの労務管理システムは、1人あたりの月額料金が発生する従量課金制を採用しています。従業員数が多くない時は問題なくても、事業拡大に伴って従業員数が増えると月額コストも比例して上昇します。
労務管理システムは、人事担当者だけでなく全従業員が使うツールです。入退社手続きや年末調整の申告を従業員自身が行う仕組みのため、操作に不慣れな社員へのフォローや説明に一定の工数がかかります。
マイナンバーを扱うためセキュリティ基準の確認が欠かせない
労務管理システムにはマイナンバーをはじめとする機密性の高い個人情報が集約されます。万が一の情報漏えいは企業の信用失墜につながってしまいます。
料金体系は従業員1人あたりの月額が発生する従量課金制が主流です。初期費用と月額料金の目安を以下の表で整理しました。
費目 | 相場 | 備考 |
初期費用 | 5万~20万円 | 無料のサービスもある |
月額料金 | 300〜500円/人 | 従量課金制以外にも、定額制、基本料+オプションが存在する |
詳しい料金相場は「労務管理システムの費用相場を解説!安く使える有名ツールも紹介」で紹介しています。あわせてご覧ください。
多くのサービスから自社に合ったシステムを選ぶには、以下の5つのポイントを確認するのが効果的です。
中小企業向け労務管理システムを選ぶときの5つのポイント
入退社・年末調整など自社に必要な機能が揃っているか
労務管理システムによって対応できる業務の範囲は異なります。雇用契約の電子締結に特化したベーシックなサービスもあれば、給与計算や勤怠管理まで統合した多機能なサービスもあります。
まず自社の業務フローを棚卸しして、どの業務に最も時間や工数がかかっているかを洗い出しましょう。入退社手続き・社会保険申請・年末調整・従業員データベース管理など、効率化したい業務は企業によって異なります。課題として挙げた業務に対応した機能が揃っているかどうかを軸に比較することで、導入後のミスマッチを防げます。
従量課金制のシステムでは、今後の採用計画を加味したコストシミュレーションが欠かせません。今後の採用計画に合わせて、将来の従業員数での費用も試算しておきましょう。事業拡大後のコストが予算を超えないかどうかをあらかじめ確認することで、導入後の想定外の費用増加を防げます。
定額プランや上限設定のあるサービスも候補に加えて比較すると、長期的なコスト管理がしやすくなります。
すでに給与計算ソフトや勤怠管理システムを使っている場合、それらと連携できるかどうかが導入効果を左右します。連携できれば各システム間での二重入力をなくし、給与計算の精度向上にもつながります。
一方、連携できないシステムを導入すると手動での転記作業が残り、業務効率がかえって下がる可能性があります。API連携やCSVインポートの仕様を事前に確認し、既存ツールとの相性をチェックしておきましょう。
操作マニュアルや 導入後のサポート体制が充実しているか
全従業員が使うシステムだからこそ、マニュアルの充実度とサポート窓口の使いやすさは重要な選定基準です。ベンダーが提供するマニュアルやヘルプページの質を確認し、従業員への説明資料として活用できるかどうかもチェックしましょう。
電話・メール・チャットの複数チャネルでサポートを提供しているベンダーを選ぶと、運用中のトラブルにもスムーズに対応できます。無料トライアルや操作デモを活用して、実際の担当者が使いやすさを確かめてから本導入に進みましょう。
マイナンバー管理に対応したセキュリティ基準を満たしているか
マイナンバーを含む個人情報を預けるシステムである以上、ベンダーのセキュリティ水準は必ず確認しましょう。確認すべきチェックポイントと、その理由を整理しました。
チェックポイント | 理由 |
データの暗号化 | 保存・通信時に暗号化されていないと、マイナンバーなどの機密情報が外部に漏えいするリスクがある |
アクセス権限の細かな設定 | 担当者以外が個人情報を閲覧できないよう権限管理の粒度を確認することで、内部不正を防げる |
第三者認証の取得(ISO 27001・Pマーク等) | 客観的なセキュリティ基準を満たしている証明となり、ベンダーの信頼度を判断できる |
以下の比較表では、中小企業におすすめの労務管理システムの初期費用・月額料金を一覧で確認できます。
サービス名 | 初期費用 | 月額料金 |
|---|
マネーフォワードクラウド社会保険 | 無料 | 2,480円(税別)~ |
freee人事労務 | 無料 | 2,000円~ |
ジョブカン労務HR | 無料 | 400円(税別)/人 |
SmartHR | 無料 | 要問合せ |
HRMOS労務 | 要問合せ | 要問合せ |
ここでは、中小企業に人気の労務管理システムを紹介します。
株式会社マネーフォワード
出典:マネーフォワード クラウド社会保険 https://biz.moneyforward.com/social_insurance/
マネーフォワードクラウド社会保険は、社会保険・雇用保険の申請業務に特化した労務管理システムです。
給与・勤怠・経費など同シリーズとシームレスに連携でき、バックオフィス全体を一つのプラットフォームでまとめて管理したい中小企業に向いています。
主な機能
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- 従業員の一覧表示機能
freee株式会社
出典:freee人事労務 https://www.freee.co.jp/hr/
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
freee人事労務は、従業員がスマートフォンから入社手続きや年末調整を自ら申告できる仕組みを持つ労務管理システム。
申告内容の不備をシステムがリアルタイムで検知するため、担当者の差し戻し対応が不要になります。freee会計・freeeサインとの連携で、会計・労務・電子契約を同一プラットフォームで管理可能です。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
株式会社DONUTS
出典:ジョブカン労務HR https://lms.jobcan.ne.jp/
無料プランあり
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
ジョブカン労務HRは、コスト重視の中小企業向けに必要な機能をシンプルに絞り込んだ労務管理システムです。
初期費用ゼロ・月額400円(税抜)/人と費用が明確で、システムに不慣れな担当者でも扱いやすいUI設計のもと、ジョブカンシリーズの勤怠・給与・採用へ段階的に拡張できます。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- 電話サポートあり
株式会社SmartHR
出典:SmartHR https://smarthr.jp/
無料プランあり
トライアルあり
IT導入補助金対象
上場企業導入実績あり
SmartHRは、従業員データを中核に、労務管理から人材評価・組織分析まで一体的に対応できる労務管理システムです。
労務手続きで蓄積したデータをそのままHRアナリティクスや人事評価に活用でき、成長に合わせて人事機能を段階的に広げたい中小企業に向いています。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- チャットサポートあり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
株式会社ビズリーチ
出典:HRMOS労務 https://hrmos.co/payroll/
HRMOS労務は、労務管理に特化しながらHRMOS給与と連携することで、少人数の担当者でも給与計算まで一手に管理できる労務管理システムです。
年末調整機能も追加費用なしで利用でき、シリーズ間でデータが自動的に連携するため手入力や転記作業が発生しません。
主な機能
- 導入支援・運用支援あり
- メールサポートあり
- クラウド(SaaS)
- Pマーク
労務担当者が兼務を抱えがちな中小企業ほど、労務管理システムによる業務自動化と属人化リスクの解消 が経営の安定に直結します。
選定では、まず自社の業務課題を整理してから必要な機能を絞り込み、採用計画を踏まえたコスト試算も合わせて行いましょう。最後に無料トライアルで操作感を確かめてから本導入に進むと、ミスマッチを防げます。
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