人事部必見! 勤怠管理システムおすすめ7選&導入ガイド
更新日 2025年07月15日
はじめに――勤怠管理が今、企業に不可欠な理由
厚生労働省はガイドライン「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置」にて、タイムカード・ICカード・PCログなど“客観的な方法”による勤怠記録と、最低3年間の保存を企業に強く求めています。これは単なる推奨ではなく、労働基準法に基づく事業主の義務です。
また、同省は「働き方改革関連法ハンドブック」にて、月45時間・年360時間の残業上限と、年10日以上の有給休暇取得者に対する5日の取得義務を明確に示しています。この規制は大企業だけでなく、2020年以降は中小企業にも適用され、違反時には30万円以下の罰金や最悪の場合、懲役も科されることがあります。
こうした法的背景を踏まえると、勤怠管理は「単なる業務効率」の範疇を超え、法令順守と従業員の健康・権利保護の観点でのリスク管理と直結しています。
紙やExcelでの運用では、記入漏れや集計ミス、改ざんリスクに加え、法的要件への追随や記録保存が難しく、管理部門への負担が大幅に増加してしまう可能性があります。
そこで本記事では、人事部の勤怠担当者(IT初級~中級・紙運用経験者)を主な読者とし、
- 法令上求められる勤怠管理要件 の整理
- クラウド型・オンプレ型のシステム比較
- 現場でよくある“あるある”失敗例と対策
- 導入成功のための具体的ステップ
などを実務的に解説します。
法令に対応しつつ、現場に根ざした運用体制を整えるための最適な一歩として、どうぞ最後までご覧ください。
最適なサービスをプロが選定します!
勤怠管理システムの導入は初めてですか?
勤怠管理システム選定の重要な比較ポイント
1. 導入コストと運用コスト
企業規模別にみると、クラウド型なら初期費用ゼロで、月額300~400円/IDが相場です。一方、オンプレミス型は初期投資が数十万円〜となり、保守費用も別途必要となります。ただしカスタマイズ性やセキュリティ面では優位性があります。
2. 法改 正対応とアラート機能
法改正への迅速な対応は、担当者の負担軽減につながります。クラウド型には自動アップデートで法律要件に対応するサービスが多数あり、有給未取得者へのリマインドや残業超過アラートなど、実務で役立つ通知機能が豊富です。
3. 打刻方式の多様性
オフィスの端末、モバイル、ICカード、生体認証など、利用環境に応じた複数の打刻手段が使えるかは、現場の使い勝手に直結します。多様な打刻方式は、打刻漏れや不正対策としても有効です。
4. 他システムとの連携可否
給与計算や人事データベースとの連携可否は、データ連携による運用効率に大きく影響します。CSVやAPIによる連携機能の有無は、導入前に必ず確認したい重要項目です。
5. セキュリティと運用環境
企業によっては、データを自社内に留めたいという理由でオ ンプレミスを選ぶことがあります。クラウドでもSSLやISMS取得、データセンターの堅牢性といった基準で安全性を担保できますが、契約前に確認が必要です。
クラウド型 vs インストール型:特徴比較
比較項目 | クラウド型 | インストール型(オンプレ) |
---|---|---|
初期費用 | 安価〜無料 | 高額(数十万〜) |
サーバ管理 | 不要 | 自社負担 |
法改正対応 | 自動アップデート | 手動・カスタマイズ必要 |
カスタマイズ性 | 制限あり | 高い |
セキュリティ | データセンターに依拠 | 自社内で制御可能 |
導入スピード | 数日〜数週間 | 数ヶ月〜 |
クラウド型は初めての導入でもハードルが低く、導入後も楽に運用できる点が魅力的です。対して、オンプレミス型はセキュリティや業務要件に応じて機能を自由に調整できますが、それに伴うコストと運用負荷が重くのしかかります。
選び方の具体的ステップ
ステップ1:前提条件の整理
- 企業規模(従業員数、拠点数)
- 法人としてのコンプライアンス要件(有給取得義務、残業抑制など)
- 現場打刻環境(オフィス、工場、モバイル拠点など)
- 既存システムとの連携ニーズ
ステップ2:試用版・無料プランで操作性を確認
多くのサービスは30日〜60日の無料トライアルを提供していま す。操作性が直感的か、現場の担当者でも運用できるか、テスト環境で確認しましょう。
ステップ3:通知・アラートの実用性検証
特に有給未取得や残業超過、打刻漏れなど自動検知・通知が正しく行われるかをチェックし、不便や誤報が起きないか確認が大切です。
ステップ4:システム連携と運用体制の明確化
利用中の勤怠データを給与システムや人事DBにどう連携するか、CSV出力の定期性や自動連携可否を確認します。また運用担当者の交代や現場教育に関するサポート体制も確認ポイントです。
システム選定の思わぬ落とし穴
勤怠管理システムの比較検討は、表面上のスペックだけで判断すると「導入してみたら想定と違った」ということが珍しくありません。